商品と良品

 

昨日の記事の続き、今日も「モノ」の話しを書こうかと思います。

 

私はキッチンに使うふきんを無印良品で買っています。

 

無印良品の「落ち綿混ふきん 12枚組」というモノです。

12枚で 499円。

 

サイズは40センチ角、吸水性も良く、とても使いやすい品物です。

 

蒸し器の中蓋、パンを作るとき、ベンチタイムの時の濡れ布巾、ギーを作った時に仕上の漉す時にも使っています。

 

シミができたり、破れが出てきたら、台拭き用になります。

 

洗ってもシミなどが取れなくなったりしたら、クラフト作業の時の雑巾になり、役目を終えてくれます。

 

無印良品を知ったのは、19歳。

大学の一年生の時です。

 

私は、多摩美術大学のグラフィックデザイン科の学生でした。

 

クラスメイトと女性雑誌を見ていて、無印良品のことを知ったのだと思います。

 

あえて装飾を省き、ブランドを前面に出さないことで 良い品を安く提供。

 

「わけあって安い」という宣伝コピーだったかと思います。

 

絵を描くことやモノを作ることが大好きで、自分がデザインした商品を作る事への憧れもありました。

 

生成りの無地の布製バック、無地のTシャツ。

 

友人たちと「これ使って何か作ろうよ!」とワクワクしながら、青山のお店に買いに行きました。

 

でも、私たちが想像していたより、「安く」はなかったのです。

感覚としては、問屋さんに買いに行く 的な感じでした。

 

安価の素材に近いものを買って、それに加工してオリジナルを作る。

 

まぁ、商品製作は、いかに原価を抑えるかが一般的な考えだからです。

 

でも、無印良品の商品は、一般的な価格。

確かに、市場に出ている同じような商品と比べたら、少しは安いのですが、私たちが想像していた価格では無かったのです。

 

「なんか、普通の値段だよね。この値段なら、なんか勿体無くてコレに絵とか描けないね」

 

まぁ、当時はまだ10代。(ギリギリの10代ですが w)

 

お金もあまり持っていなかったし、美大は、課題製作にお金がかかるので、あまり無駄遣いができない。

 

結局、何も買わずに帰ってきました。

 

でも、その後、何故、無印の商品は「わけあって安いというコピーなのに安くないのか?」という話になりました。

そこで気がついたんです。

店舗の名前。

無印商品 では無く、無印「良品」であることに。

安く作るなら、原価を抑えればいいのです。

原価を抑えるのは、使う素材のランクを落とす。人件費を抑える等が考えられます。

良品 ということは、こだわりのある良いモノでなければならないわけで、

 

素材の質や製法を落したくない という意図もあるわけです。

 

素材や製法は落とさないけど、あえて過剰な装飾はしない。
パッケージもシンプル。

店舗も装飾などは最小限で、コンクリ打ちっぱなし。

なるほど… そういうことなのか…

モノを作る ということ。

ブランドとは何か。

コストをかけることとはどういうことなのか。

プロダクトデザインとマーケティングを具体的に理解したのも、この時でした。

大学の教室の中で、製作だけしていたら気がつかなかったことだったかもしれません。

無印良品、恐るべし。w

以来、無印良品のファンとなったワタクシでした。